2008年7月18日金曜日

第1回 モールス歌詞集に触れて









著者:酒井泰明
出版社:自費出版
価格:1,890円(税込み)
初版:2008年4月28日
サイズ:ハードカバー

最初に関係ないこと1つ。
巻末プロフィールを見たらモールスは、僕と同学年であった。
いつもの親近感より20代に経てきただろう不健康な夕方を想像する。

「モールス歌詞集」は、モールスという3人編成のバンドのこの10年間
の歌詞になった文章を編んである。隙がないように隙をみせるその
言葉の偶然に、そら感嘆。
「10年間以前」の習作たちを個人的に覗き見たい気持ちも起こさせた。
記憶から思いつく言葉と、見たことを記憶した言葉がそこにボソボソある。
爽快と不快の振幅が壮大なギャグのように思えてくる。
と、おかしい。楽しい。

メロディを知らない歌詞は、自分の言葉にも成り得る。
知らない歌が多かったから実験小説のように読めた。
歌詞から入学して、モールスの音を閉じたまま、
愛読書として棚から出し入れするのも僕は良いと思う。
単なるバンドの歌詞として入学するのはもったいない。